栄養管理における検査値の利用

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アルブミン、Rapid turnover proteinについて知っておきたいこと

アルブミンの常識を復習しましょう。

  • 肝臓で作られる。
  • TPの約60%を占める。
  • 半減期は21日で長期的な栄養状態を反映。
  • TPの減少は、多くの場合はALBの減少によるもの。
  • TPの増加は、ほぼγグロブリンの増加によるもの(多発性骨髄腫、マクログロブリン血症など)。
  • ALBは、脱水で血液が濃縮された場合以外で増加することはない、とされています。
  • TP、ALBは、臥位よりも座位の採血で高値になると言われています。

Rapid turnover protein (RTP)の利用

  • 主に肝臓で作られる。
  • 半減期が短く、短期的な栄養状態を反映。
  • 低栄養、肝障害、炎症・感染症などで低値となる。

最短半減期ランキング

  1. レチノール結合タンパク 0.5日
  2. トランスサイレチン(プレアルブミン) 2日
  3. トランスフェリン 7日
  4. アルブミン 21日

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  1. アルブミン 11点
  2. トランスフェリン 60点
  3. トランスサイレチン(プレアルブミン) 104点
  4. レチノール結合タンパク 136点

RTPの弱点:当院では外注の検査であり、結果判明まで数日かかってしまいます。また、アルブミンよりも検査料が高いです。このため、アルブミンのみでは栄養評価が不十分な場合に、RTPの測定をお勧めいたします。

検査技師からのメッセージ

栄養評価の指標となる検査項目であっても、実際は栄養以外のさまざまな要因でデータは大きく変動します。
患者の身体所見、他の検査データなどと総合して、栄養状態を評価することが重要です。

NST委員長

その通りですね!画像診断でもそうですね。
様々な情報を統合して総合判断を下す力量が医師には必要です。
複数の医師の頭で補い合うのも大事だと思います。

2022年度坂総合病院NST専門療法士実地修練 検査技師講義の実況をご覧ください。

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